認知症老人介護の現実

認知症老人介護の現実

私は通所介護で働いているのですがアルツハイマー型認知症の末期の方がいまして。高齢の娘さんと二人暮らしをしているこの方は色々な通所介護に通うも全てが拒否されてうちの通所介護が最後の砦となっています。

普通の会話はできません。来所している時間中ずっと『お願い!助けて!』と怒鳴り続けテーブルを叩いています。勿論、通所介護なので他の利用者様も沢山います。近くに怒鳴っている方がいたら優しい方でも徐々に嫌になってしまいますよね。

せっかく様子を見に来てくれた方の腕を抓ってしまい孤立してしまいました。煩いと言われ露骨にスタッフ早く何とかしろよという目で見られ皆様がいるフロアには居られなくなりました。

フロアにいられないので近所に散歩に出て気分転換しようと車椅子を押して外に出てみると『助けてー誘拐された!おまわりさん!』すぐに視線を集めてしまいました。

幸いユニフォームを着ていたので利用者さんかなと思ってくれたようで事なきを得ましたが毎回騒がれても困ってしまうので外に出る事も出来なくなりました。仕方がないので会社内の三畳ほどの相談室で個別対応する事にしました。狭い空間で目の前で怒鳴り続けられ、手で思いっきり机をたたき続ける。

まるで目の前で工事をやっているような音。これが来所してから7時間永遠とです。かなり頭がおかしくなりそうでした。なんとか落ち着いてもらおうと手を出せば引っ掻かれ噛まれます。食事を摂ってもらおうとすれば茶碗をひっくり返されます。一番辛いのは味噌汁を思いっ切り投げつけられた事です。

利用者様用に熱くはしていませんでしたが味噌汁を全身にかけられたショックは強かったです。ケアマネージャーに周辺症状を少しでも和らげられるよう受診等を訴えても『あそこの娘さんは言っても聞いてくれないのよね。

あれだったら直接言ってください。』と全く取り合ってくれませんでした。ただ単に来所を断る事は簡単ですがうちの通所介護が断ってしまったらこの方どこも行く場所がありません。

通所介護が無理で特別養護老人ホームなんて絶対に受け入れてくれません。残るは精神病院に入院し服薬管理で周辺症状を落ち着かせることですが娘さんが精神病院には絶対に入れないと言って聞かれません。しかし娘さんとだけの在宅生活を考えると不幸な結果になる事しか思いつきません。

自分の通所介護を断って後味の悪い事になるのも嫌ですし、関わった以上何とかしてあげたい気持ちもあります。結局の所、改善する見込みが全くないまま狭い三畳の空間で工事現場の騒音と触れれば怪我をするリスクを負いながらケアをしていくしかありませんでした。

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